052783 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

ふぁんふぁんふぁ-ましぃ

+禁断の…+(5)



霧はいつの間にか消え


傷付いた少女は泣き崩れ


僕は何もかも信じられなくなって・・

とにかく、カレンを館の中に入れた
ああ・・メイド達が言っていた意味が解った・・・・

「秀さん・・・・」
「?何」

「私・・・・駄目になってしまいそう」
「僕もだよ」
「私、結婚して良かったのかな?」
「解らない・・何も解らない・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」


階段を登り
幼き頃を思い出した


------------------------------------------------

「秀さん!秀さん!」
「叔母さんだぁれ?」

貴婦人が僕に話し掛けた
階段を登り、登り、
後から後から付いてくる
叔母さん

「秀さん、私は今日から貴方のお母様よ」
「何で?」
「秀さんのお母様になったの」
「僕のお母さんは、死んじゃったんだって・・何で叔母さんがお母さんなの?」


しばらく顔をしかめた

「叔母さんはお母さんじゃないよ?」
「うーん」
「叔母さん、遊ぼう!」
「ええ・・」

優しく叔母さんは微笑んだ

でも・・・

叔母さんは、しばらくするといなくなって


次から次へと
叔母さん(お母さん)は変わっていった

それは、あの父の行動からだろう

カレンを見て初めて気付いた


---------------------------------------------------

僕は
父と言う
偽りの男に育てられていたんだ・・・・


「カレン・・・・」
「?」
「逃げよう?」
「えっ・・何処へ?」

何を言っているんだ
僕は



カレンは僕を見つめ
下を向いた


「逃げたら・・捕まっちゃうよ・・・」
「うん」
「何処へ行くの?」
「解らない・・・・」
「そうだね、今は無理だ・・、もし僕が大きくなったら・・・・・」
「?」

階段を登る登る
何処までも・・・・・

「秀さん?」
「大きくなったら・・・・・」
「大きくなったら?」
「あの、僕とカレンを騙していた父から逃げよう?」
「うん」

カレンは微笑んだ
忘れられないだろう
その笑顔を・・・・

時はクルクル回る
五年くらいはすぐに通り過ぎ


僕は一応、大人に近ずいた


「おはよう、秀!」

カレンはそのものの可憐になり
まるで、人形の様になった

そして、彼女は僕の事を秀と呼ぶ様になり


何より・・・・父には気付かれない様に、お互い愛し合っていた


「今日は良い天気ね」
「うん、何処か出かけるか?」
「そうね」


「駄目だ・・・」

後ろから声が聞こえた
父だ・・・・




「どうして?こんなに良い天気なのに」
「オマエは私とココに居るんだ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

どうして
こうなんだろう?
父はカレンを片時も放そうとしない


「良いじゃないですか・・・森へ散歩くらい」
「オマエは黙っていろ」
「・・・・・」


「じゃぁ、カレン、私と宝石でも見に行くか?」
「えっ・・・ええ」
「どうした?行きたくないのか?」
「いいえ、そんなんじゃないんですが・・・・・」

カレンは僕を見つめた

「何だ?秀の事か?」
「いいえ・・・・・」
「大丈夫だ・・・安心しろ、秀には婚約者がいる」

「?!」
僕は唖然とした


「えっ?!」
カレンは目が点になった



この人は一体何を言い出すのか・・・・・・・






+続へ+



© Rakuten Group, Inc.